シルバーチャンネルは映像制作会社です。制作した映像の販売も行っています。
「映像」と言っても様々な種類の映像が世の中にはあります。シルバーチャンネルでは特に高齢者に特化した分野の映像制作を得意として活動しています。
「高齢者」と言っても様々なお年寄りがいらっしゃいますが、シルバーチャンネルでは特に認知症高齢者と彼らを取り囲む様々な人々へ向けた映像を制作しています。
シルバーチャンネルは平成9(1997年)に開業しました。開業の目的は、高齢者向けCS放送の運営でした。多チャンネル時代といわれ、CS放送が300チャンネルを標榜する頃です。つまり一般放送ではなく細分化された専門チャンネルの時代だったのです。その専門チャンネルのカテゴリーにひとつに「高齢者」というキーワードがあったのです。同じ高齢者キーワードの放送局が複数立ち上がりました。シルバーチャンネルもその一隅にいましたが、リサーチを繰り返し、ある事実に気づきました。それは高齢者の意識です。
東京/巣鴨地蔵通り商店街は、おばあちゃんの原宿と呼ばれ、お年寄り目当ての商店が林立し多くのお年寄りで連日にぎわっていました。そこで「高齢者専門テレビを放送しますよ」とリサーチすると、「そりゃーいいね、歳を取ったら見させてもらうよ」と70代の方々に言われてしまったのです。高齢者は自ら高齢者チャンネルを選択することはない。自分はまだ高齢者というカテゴリーには入らない、入りたくない。それはそうでしょう。まだまだ元気なおじさんおばさんのつもりなんです。現在、高齢者専門のチャンネルはひとつもありません。
高齢者が自ら加入しない高齢者専門チャンネルは成立が難しいですね。相当の営業力がないと不可能でしょう。シルバーチャンネルには、その力はありませんでした。
そこで少し視線を変えてみることにしました。
高齢者専門チャンネルを模索しているときに病気や加齢で元気を失っている高齢者の存在に気づきました。まだ、介護保険が始まる前です。「痴呆」という言葉の時代です。元気な高齢者をターゲットに考えての映像商売を展開しようと考えていましたから、認知症高齢者などは、ほとんど知識もないお年寄りたちだったのです。
認知症高齢者には色々な制度や施設があり、ケアが行われていることなどを一から学びました。本当に何も知りませんでした。その事は同時に世間の意識でもありました。
認知症の人/本人へ向けた映像作りを模索したり、彼らを支える人々へ向けた映像を制作したりを13年間行ってきました。
「門前の小僧が習わぬ経を読む」という言葉があります。シルバーチャンネルのスタッフはまさに習わぬ経を読み、まるで僧侶に見られるほどの、経験と知識を得ました。認知症高齢者の介護や看護の知識は豊富です。
しかし、シルバーチャンネルは実践者ではありません。「習わぬ経」つまり専門の教育を受けた分けではありませんし、実践も出来ません。所詮、通りすがりの人なのです。この事実を深く胸に刻み、実践者と話、本人と関わり、とても詳しい知識を持ったただの通りすがりとして、第三者の視点を大切に認知症高齢者と彼らを取り巻く環境の力になれるように努力しています。
映像にはある力が突出してあります。それはプレゼンテーション素材力です。読むよりも語るよりも、人々を巻き込む切っ掛けを提供する能力が高いのです。この能力を上手に使って認知症高齢者とその環境がより良い形になるように努力する会社がシルバーチャンネルです。
平成23年(2011年)代表取締役 小原信之